製本会社が手がける雑貨文具ブランド

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製本会社が手がける雑貨文具ブランド

インタビュー#1 ブランド全体の哲学

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インタビュー#1 ブランド全体の哲学

株式会社清美堂 代表取締役 秋田


―――ブランド「ju:tale」の立ち上げのきっかけは何ですか?

きっかけは、製本業界の仲間が自社ブランドを打ち出して成功していたことでした。製本業界は分業制が基本で、仲間内で仕事を回して助け合うことが多いのですが、その仲間が前向きに新しい道を切り開いている姿に焦りを感じました。「自分も挑戦したい!」と強く思い、商品開発ができるデザイナーを紹介してもらったことが、ブランド立ち上げの一歩となりました。

―――Airy noteを開発する中で、最も重視したポイントは何ですか?

最も重視したのは、「自社でできること」を最大限に活かすことです。全く知らない分野の素材を扱うよりも、自社の設備やノウハウを基盤にする方が開発しやすいと考えました。また、製本会社として製本工程を含む商品にこだわりました。
さらに、「挑戦」を意識することを大切にしました。不安定な作業効率や不良率を恐れるのではなく、まずは可能な限り挑戦し、徐々に効率化や品質向上を図っていくという方針を徹底しました。

―――「超軽量ノート」というコンセプトを思いついた背景やアイデアは?

「超軽量ノート」というコンセプトは、社員全員が参加した開発会議の中で生まれました。「ハードカバーは重いもの」という固定観念を逆手に取り、そのギャップを活かすことで注目を集められると考えたのです。
さらに、ただ軽いだけでなく、ページ数を多くすることで意外性を強調し、他にはない価値を生み出すことを目指しました。このコンセプトは、「ギャップが生む驚き」というディレクションから発展したものです。

―――このプロジェクトが他の製本作業と比べて特に大変だった点は何ですか?

「Airy note」の開発では、非常に扱いづらい素材を複数掛け合わせることが大きな課題でした。自社オリジナルの設備を活かすことで可能になった製法ではありましたが、新しい素材に慣れるまでには多くの試行錯誤が必要でした。特に、壁紙の折り曲げや芯材との相性には苦労し、改良を重ねる日々が続きました。

―――クラウドファンディングを通じて学んだことや、特に印象に残ったエピソードはありますか?

クラウドファンディングで強く実感したのは、「軽さを伝えるには、実際に手に取ってもらうことが不可欠」ということです。支援者からは、商品が届いた際に「想像以上に軽い」「高級感がある」という反応をいただきました。これをきっかけに、展示会やPOP-UPイベントなど、実際に商品を手に取ってもらえる機会を増やしたいと考えています。

―――この商品が消費者にどのような影響を与えると考えていますか?

ju:tale作り手

紙にメモを取ることは、タブレットに記録するよりも記憶に残りやすいとされています。一度デジタルに移行した人も、紙の良さに気づいて戻ってくる可能性があります。
その際、「重さ」や「見た目」が大きなハードルになると考えています。「Airy note」は高級感がありながら超軽量で持ち運びがしやすく、日常の中で「素敵なノートを使いたい」と思う方にぴったりな商品です。

―――今後のブランド展開や商品開発の展望について教えてください。

現在、「ログノート」や「製本キット」の開発を進めています。
ログノートは、用途が決まっているノートとして、スケッチなども楽しめる紙を選定し、書き心地を追求しています。一方、製本キットは、製本屋としての構造を知っていただくことを目的に、本格的な仕様を目指しています。
どちらの商品も、製本業界の魅力を伝える新しい挑戦として準備を進めていますので、どうぞ楽しみにお待ちください。

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