
下請けからブランドへ。
「無理だと言われるほど燃えるんです」
秋田さん:「製本屋はいわれた事だけやってればいいんだ」「自立するなんて、仕事が来なくなったらどうする?」下請けが前に出るなんて無理だと言われました。でも無理と言われるほど、私は燃えるんです。
製本会社としての殻を破りたい。でも製本というモノを多くの人に伝えたい。
紙に書く、紙を読む、紙に触れる、ページをめくる。
そんな当たり前が特別になると、不思議と気分があがり生活が楽しくなる。
”製本”をもっと身近に、でも特別にするにはどうしたらいいだろうか?
そうしてプロジェクトは始まりました。

自社の強みはやっぱり「絵本製本会社であること」
秋田さん:絵本を主軸として製本をしている為、私たちは業界では絵本の製本屋というイメージが定着しています。また、そのせいか敷居が高いとも言われてしまっていました。そこから脱却をしたいという強い思いがありました。改めて自社の強みを見直していった時に、
『でも、絵本の製本というものは簡単に真似できない素晴らしいことなのではないか?』
という意見があり、それは忘れてはいけないな。改めて【絵本】は大切にしようと思いなおしました。
絵本には人それぞれの愛着がある。
子どもの時に家族に、先生に、自分で…色んな読んだ思い出がある人も多いことでしょう。清美堂がこれまで製本してきた絵本たちはそういった思い出を共有していく、大切なモノだと思っています。
秋田さん:子どもの頃に手に取っていただいた絵本というわが社の商品ですが、大人になると縁が無くなる人も多いと思います。毎年新刊が出ていますが、それを知る人も少ないでしょう。ブランドを立ち上げる上で、これまでの市場である書店から離れて別の場所でそういった人と出会いたいと考えました。
紙を製本することが生業であり、今ある設備を活かしたモノづくりをしていきたい。
ブランドを立ち上げるとなった時に食品だったりアパレルだったりという全く新しい業種というわけではなくあくまで【紙】にこだわってみたい。【紙好きで、変わったものを使いたい人、人に伝えたい人】に手に取ってほしい。
そういう思いからブランドコンセプトは
子どもの時に一度は手に取った絵本、長く使える絵本だからこそなかなか買い替えもなく
子どもの時以来に出会うキッカケがないことも。
だからこそ、大人になったら違う姿でまた出会いたい。
「子どもから大人まで」一緒に成長ができるそんなブランドでありたい。
子どもの時は絵本、大人になったら雑貨文具
としました。そして、ブランドネームは
じゅてーる
ju:tale
ju=フランス語で「遊び心」「おしゃれ」を表す言葉
tale=フランス語で「お話」「物語」を表す言葉
絵本を作るメーカーであること、それは代えがたいブランド力です。
ブランドコンセプトの「子どもの時は絵本、大人になったら雑貨文具」が意味するように
絵本=tale(お話) 雑貨文具=ju(遊び心)で表現しました。
そして日本人が口にしやすく、遊び心やおしゃれな印象を与えるよう意図しました。

これから様々な商品・場面で使っていくju:taleのロゴは、その時の使い方に合わせられるように6種類ものデザインがあります。
本から芽生えた綿毛が、風によって多くの人の元に届きますように。
紙の本がいつまでも残りますように。
そう願っています。